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事業の背景および目的

農山漁村に豊富に存在する資源を活用し、再生可能エネルギーを生産することにより、所得と雇用を創出し、農山漁村の活性化につなげていくことが重要となっている。
奈良県では、平成21年度から太陽光発電パネルの設置に係る県独自の無利子融資制度を開始し家庭用太陽光発電設備の普及に努めているほか、公共施設等における太陽光発電システムの導入も進められている。水力発電ではダム等の大規模発電施設が多く、小水力発電は採算性や水利権等が課題となり導入事例が少ないものの、徐々に地域住民として小水力発電設備導入に向けた機運は高まりつつある。また、県土の約77%が森林で覆われ、豊かな森林資源を有しているが、県内でのバイオマス発電設備等の導入例はまだまだ少ない現状である。
こうした中、県でも県内自然エネルギー活用基礎調査が実施されているものの、耕作放棄地をはじめ農山漁村の資源に重点を置いた検討が十分になされておらず、また情報が地域住民に明らかにされていないことにより積極的に再生可能エネルギーの導入に向けた動きが繋げられているとは言いがたい現状である。


そこで、今後具体的に事業を進ませるために、こうした地域特性を踏まえて農山漁村における再生可能エネルギーの具体的な導入可能性について発電適地を明確にし、事業化可能性を検討することを目的とする。 また、2011年9月の台風12号豪雨により、県南部地域に大きな被害が発生し、非常用という点においても独立電源の確保の必要性が言われており、本調査内容をもとに系統連系のあり方についての検討材料とする。

発電適地を抽出にあたって

奈良県の地域特性から、未利用地における太陽光発電の導入促進方策として、集落等における耕作放棄地の計画的な集約や、開発造成予定地等の未利用地の活用、小規模な耕作放棄地の活用(ソーラーシェアリング事業の推進)の可能性について示唆した。また、小水力発電の導入促進の可能性として、未利用水源を活用した小水力発電の導入促進や小水力発電導入による地域おこし事業の推進について言及した。
なお、本調査結果は、木質バイオマス、小水力等の農山漁村資源の活用の可能性を明らかにするとともに、場所の選定の参考となる土地等の情報の提供を行うものである。
実際に発電用地として選定できるかどうかは土地利用規制との関係が重要であり、行政機関等への十分な確認が必要である。また、小水力発電の設置においては、水利利用の許可や土地占用の許可等、河川法に基づく様々な許可申請や水路の管理者との協議・調整などを行わなければならない。本調査結果において示した箇所は同様に許可や協議・調整などを行う必要がある。
また、発電電力量についても、実際の導入にあたって最適な発電設備を検討し、再度その設備の仕様を前提として推計を行うことが必要である。

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