地熱利用について

■地熱発電

  火山地帯等の高温高圧地下蒸気を利用して発電するシステムで、日本は世界3位の賦存量があり(3300万㎾)、ベースロード運転できるメリットがある。しかし、政府があまり力を入れず、これまでの累計実績は52万KW(2014年)で、ほとんど伸びていない。また、温泉熱発電もあるが、出力は数十~百KWと小さく、採算性に乏しい。奈良県では十津川温泉で検討されているが、進捗していないとのことである。

  以下に、地熱発電及び温泉発電の概要図を示す。

地中熱発電の概略

地熱発電概略図(出典:資源エネルギー庁ホームページ)


温泉発電の概略

温泉発電[バイナリー発電]の仕組み(出典:兵庫県農政環境部)

■地中熱利用

  外気温は季節変動するが、地中では変動が少なく、深さ10m以深では年平均気温程度で一定となる。地中熱利用はこれを利用したシステムで、ヒーポンプ、熱伝導(例えば、竪穴住居)、空気循環(地中チューブ)、ヒートパイプ(例えば、融雪)があるが、ヒートポンプシステムが主流である。

地中気温

地中熱利用促進協会HPより引用

■地中熱利用ヒートポンプシステム

  冬季の外気温が低く、暖房期間の長い欧米では、実績が多くあるが、日本では2013年までに地中熱ヒートポンプシステムを導入した施設件数は累計1,513件となっており、地域別でみると、北海道が426件と最も多い。

  奈良県エネルギー政策課に11月30日ヒアリングしたところによると、3年前から設備に対し、2分の1補助をつけているが、今のところ申請ないとのこと(事業所再生可能エネルギー等熱利用促進事業補助)。

ヒートポンプシステム

地中熱利用促進協会HPより引用