調査の概要

 本調査は、環境省グリーンニューディール基金の補助を受け、奈良県内で太陽光発電と蓄電池をセットで設置した34公共施設に、再生可能エネルギーの利用率を含めた施設の概要と利用の現状、 太陽光発電と蓄電池の併設により自立電源を有する施設として自然災害等への備えに関することなどについて調査を行った。
 その結果、全ての施設で防災拠点としての何らかの役割を有し、設備容量は9-40kW(平均14kW)、蓄電池容量は10-55kWh(平均17kWh)、年間発電量(2017年度)は7,390-52,417kWh(平均16,739kWh)、 再エネ利用率は2-100%(平均18%)であった。
 ・再エネ利用率は施設規模により差が大きいが、大なり小なり温室効果ガス削減に寄与していた。
 ・蓄電池の充電は調査したすべての施設で常時フル充電(容量の85%以上)の状況であった。
 ・2018年9月、近畿地方に上陸の台風21号、台風24号の被災・停電による緊急時に、非常用電源として蓄電池の使用例が7件あった。
 ・自立電源設備の地域住民への周知(広報誌など)は約半数であった。災害時等の地域住民の安全・安心のため、より積極的な周知が望まれる。
 ・太陽光発電(自然エネルギー)と蓄電池の組み合せは温暖化の緩和策(温暖化を防ぐ)と適応策(温暖化に備える)を兼ねた対策として有効であると思われる。