ご報告

奈良県内で地球温暖化防止活動などの環境に関する取り組みを行っている「匠」たちが、それぞれの活動を報告し、学び合い、脱炭素で持続可能な社会を次世代へ引き継いでいくため、連携の「環」を拡げようと「匠の環」を開催してきました。そして、今まで培った力を次なる前進に向けて議論を深め、さらなる実践につなげていくことを目指し、今年新たに「匠の環、それから」として開催しました。

今回は「地球温暖化(気候変動)から災害における防災・減災について考える」をテーマに開催を検討していたところ図らずも、西日本での水害、全国的な猛暑、そして台風と地球温暖化による気候変動の姿を垣間見た感じがします。そのような中、県内各地で地道な環境活動を行っている「匠」たちの参加のもと、ゲストトークではそれぞれの立場から話題提供を行っていただき、合わせて26団体のポスターセッション、そしてご参加いただいた約90人のみなさまと、交流する機会を持つことが出来ました。ご参加・ご協力いただきました各地球温暖化対策地域協議会の皆様、各自治体職員の皆様、NPO等団体の皆様、多くの市民の皆様、ありがとうございました。

今後も多くの方々のお力をお借りし、共に脱炭素で持続可能な社会を次世代に引き継いでいくために、奈良の地より連携の「環」を拡げていくための更なる一歩となることを願い、取り組んでいきたいと思います。

匠の環の様子
匠の環の様子

ゲストトーク

本年度のテーマ「地球温暖化(気候変動)から災害における防災・減災について考える」に基づき、先駆的に取り組まれている3団体の方々のご講演を拝聴することができました。大阪ガス株式会社様からは次世代への防災教育とその教材ついてのお話をいただき、それらが環境についても大きく関連し、合わせて活用できることをお聞きしました。大和ハウス工業株式会社様からは、持続可能な家づくりとしてエネルギー自給住宅などについてのお話やそしてエネルギー面などを考えた持続可能なまちづくりへの展望をお聞きしました。また、市民生活協同組合ならコープ様は、生協ならではの災害対策として奈良県と39全市町村との災害物資協定締結、ストックしている備品や災害発生時の配送トラック活用協力など頼もしいお話をお聞きすることができました。

また、気候変動適応法(2018年6月13日公布)についての情報提供もさせていただきました。災害に備えること、防災・減災を考えることは、温暖化対策でもある省エネ・創エネなどとあわせて取り組むことが重要であると再認識し、また意識を高める機会となりました。

  • ゲストトーク

○ 大阪ガスの防災プログラム『考える防災教室』について
大阪ガス株式会社 近畿圏部 ソーシャルデザイン室
副課長 船渓 俊輔さん

○ 大和ハウスが進める持続可能な家やまちづくり
大和ハウス工業株式会社 総合技術研究所 フロンティア技術研究室
新エネルギー研究グループ 主任研究員 原田 真宏さん

○ ならコープが考える生協らしい災害対策
市民生活協同組合ならコープ 総務部部長 木村 匡亜さん

  • 話題提供

地球温暖化対策(気候変動適応法)について
奈良県地球温暖化防止活動推進センター 副センター長 当麻 潔

ゲストトークのようす

ポスターセッション

県内で活動する様々な団体、26団体にご参加いただきポスターセッションを行いました。今年のテーマに合わせて災害対策(防災・減災)にもつながる取り組み等の紹介や、地球温暖化対策地域協議会の活動の様子や自然環境保全の取り組み、環境教育、環境とエネルギーについての活動、高校生による研究展示、大学でのサークル活動や研究などご紹介いただきました。

出展団体についてはこちらをご覧ください

ポスターセッションのようす
ポスターセッションのようす

交流会(分科会)

交流会では、ゲスト三者のテーマに沿ってそれぞれの分科会を開催し、質問や意見交流などを行いました。限られた時間の中でしたが参加いただいた各団体の取り組みなど自己紹介、ゲストトークを受けての質疑応答と情報提供をしていただくなど、自由に意見交流を行いました。その中から、やはり基本はCO2削減の緩和策、その上に災害が起こった後の取り組みについても大切との声をいただくなど、様々な視点から見ることの大切さ、まだまだ見えていないことが多くあることを教えていただきました。改めて、継続して活動していくことと、新しい情報を得て共有し意見交換することの大切さを実感しました。

交流会(分科会)のようす
交流会(分科会)のようす

アンケート集計結果

来場者アンケートには、「普段なかなか考える機会のない災害対策について聞けて勉強になりました」「具体例を含めたお話しはわかりやすかった」「温暖化対策は、減らすこと(緩和)も防災につながるし、適応も減災になることがよく分かった」などの意見があり、多くの方々から好評をいただきました。また、「身近で活動されている団体の取り組み内容がわかってよかった」「ボランティア活動、学生さんが取り組まれているのをたのもしく思っています」「交流会では新たな気づきや出会いがあった」「もう少し掘り下げた話が聞きたかった」などの感想をいただきました。今後に活かしていけるよう活動を進め、この機会がご参加いただいた皆さまの取り組みの一助となることが出来れば幸いです。