ご報告

今年度は、さらに広がる災害に私たちNPO・団体は何ができるか、私たちの活動がどう活かせるか、と言う視点からみんなで考えてみたいと思い開催しました。
2019年の夏も温暖化の影響とみられる猛暑となり、また、8月の九州北部地方での記録的な大雨や10月の台風19号による大雨や暴風等では、人的被害や住宅への被害、ライフライン、交通への影響等甚大な被害が出ました。今後さらに常態化する気象災害に、温暖化対策への取り組みは、まさに待ったなしの状況です。

そのような中、県内各地で地道な環境活動を行っている「匠」たちの参加のもと、パネルトークでのゲストの意見交流と30団体のポスターセッション、そしてご参加いただいた約110人のみなさまと、交流する機会を持つことが出来ました。

ご参加・ご協力いただきました各地球温暖化対策地域協議会の皆様、各自治体の皆様、NPO・企業等団体の皆様、多くの市民の皆様、ありがとうございました。

匠の環の様子
匠の環の様子

「奈良の環境家計簿」取組表彰式

「奈良の環境家計簿」に取り組まれている方で、継続的で熱心な取組みをし、二酸化炭素の排出削減効果を上げておられる方を、奈良県より表彰させていただきました。

事前に、奈良県くらし創造部景観・環境局及び奈良県地球温暖化防止活動推進センターにて厳正なる審査を行い、野田純一奈良県景観・環境局次長より3家族、3団体(エコネットいこま、パナソニック松愛会 奈和支部、パナソニック松愛会 奈良西支部)を表彰いたしました。

「奈良の環境家計簿」取組表彰式のようす

パネルトーク

本年度のテーマに基づき、3人のゲストにお越し頂きました。

はじめに、井頭東洋さん(天川村住民/林業)からは、
8年前の紀伊半島大水害の際、三日三晩降り続いた雨で経験したこれまでに思いも及ばなかった被害と恐怖により、改めてコミュニティのつながりの必要性と自然との共生の重要性ついて、
植村信吉さん(NPO法人 奈良県防災士会 理事長)からは、
防災士会の紹介と活動内容や防災士の役割、また、災害を未然に防ぐために備えることの大切さなどを、
山出哲史さん(社会福祉士・防災士)からは、
地域福祉と防災は関係していること、普段から顔の見える関係づくりの大切さ、防災を考えた地域づくりについてなどをお話いただきました。

コーディネーターからの「奈良にとって必要なものは何だと思いますか?」「今、団体にできることは何ですか?」という問いかけに、それぞれの立場からご意見をいただきました。

被災地へ行くとどこに行っても同じような「まさかうちで…」「こんなことになるとは思っていなかった…」言葉を耳にすることや、災害にあってこそ学んだことなどについて語っていただきました。そして、いろいろな分野、領域の人たちと関わりを持つことが備えになるのだと感じました。自然の怖さ、恐ろしさを認識することに加え、自分ごととして考え地域の人との関わりや情報交換することの大切さも教えていただきました。SDGsの目標と私たちの取り組みは関連しており、様々な分野に目をむけて活動していくことが必要だとも感じました。

  • パネルトーク

○ 井頭 東洋 さん(天川村住民/林業)

○ 植村 信吉 さん(NPO法人 奈良県防災士会 理事長)

○ 山出 哲史 さん(「まちづくり歴20年」の社会福祉士・防災士)

○ コーディネーター:当麻 潔(奈良県地球温暖化防止活動推進センター長)

パネルトークのようす

ポスターセッション

県内で活動する様々な団体、30団体にご参加いただきポスターセッションを行いました。

今年のテーマに合わせての取り組み等の紹介や、地球温暖化対策地域協議会の活動の様子や自然環境保全の取り組み、環境教育、環境とエネルギーについて、3Rの活動などご紹介いただきました。
それぞれの団体のみなさまに、ポスターや展示物を前に簡単な活動紹介もしていただきました。お互いに顔を見ながら紹介していただくことにより、理解が深まり活動を知る機会となったのではないでしょうか。

ポスターセッションのようす
ポスターセッションのようす

交流会(分科会)

交流会では、ゲスト三者のテーマに沿ってそれぞれの分科会を開催し、質問や意見交流などを行いました。

参加者の自己紹介と簡単な団体紹介、ゲストへの質問や具体的な活動について考えるなど意見交流をし、限られた時間ではありましたがテーマを深める時間を持てたのではないかと思います。

「すすむ地球温暖化 広がる災害。今、その活動が活かされる」
待ったなしの温暖化対策。
誰もが、当事者となる意識を持ち普段関わることの少ない分野にも関心をもち、働きかけていくこと、まず、その意識を持つことから始めたいと思います。

交流会(分科会)のようす
交流会(分科会)のようす

アンケート集計結果

来場者アンケートには、「防災についての具体的な例を交えてお話しいただき、良く理解する事が出来た」「災害への備えがいかに大切かをお話の中から実感いたしました」などの意見があり、多くの方々から好評をいただきました。

「環境や災害について、こんなにも色々な活動が行われていることにとても驚きました。また、興味のない人に興味を持ってもらうことは今後の課題なのかなとも思いました」「どの団体も、環境への関心をひくための苦労をしている事確認。事例として話した内容に多くの方が熱心に耳を傾けて頂けたように感じる」などの感想をいただきました。

今後もつながりを大切にし、ご参加いただいた皆さまの取り組みの一助となることが出来れば幸いです。